本日、2020年10月31日の朝方、我が家の愛犬「さくら」が永眠しました。
この一週間は、食欲もなくなり、ほえ声もか細くなり、家族も彼女の命の残り少ないことを覚悟していましたが、その命の終わりは呆気ないほどでした。
よろよろと立ち上がり、かぼそい声を上げた後に横たわり、眠るように息を引き取りました。
もだえることもなく、自然な往生でした。
ただそれは、傍目の人間の感覚であって、話すことのできない動物なりの苦しみを味わったことでしょう。
思えば、我が家に飼われたばかりの頃のぬいぐるみのような子犬の時代から、彼女の生きた16年は、あっという間でしかありません。
最初の飼い犬は、偶然に迷い込んできた雄のビーグル犬、2代目も同じく雄のビーグル犬、そして彼女は3代目の雌のビーグル犬でした。
前の2匹は、雄犬ということもあったせいか、気性が激しく、なかなかしつけがうまくいきませんでした。
3代目の彼女は従順で、飼い主のしつけにも十分に対応できましたし、家族すべての癒しの対象でした。
人の死に対する別れの悲しみは当然のことですが、16年もの間、一緒に家族同様に生き抜いてきた彼女の死に対する悲しみは、家族の死と同等です。おそらく、彼女の死の悲しみは、これからもずっと、家族すべての心の中に深く残るでしょう。
家族の一員としてのペットの存在は、何事にも変え難く、素晴らしいものです。しかし、別れの悲しみをこれ以上味わうことに耐え難い心の存在に気づき始めた最近、おそらく、心惹かれる事はあったとしても、新たなペットを飼うということについては、大きなためらいがあることでしょう。