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世代格差

 ロシアのウクライナへの侵攻で世界の緊張感が非常に高まっています。

もちろん、第2次世界大戦後、まったく世界が平穏無事であった訳ではありません。国内でのクーデターや内乱などによって、政権が変わった国もない訳ではありません。

しかし、ロシアのような大国が他の独立国に攻撃的な侵攻を図るといったことは、大戦後においては稀にみる出来事でしょう。

過去の大戦も軍事力を盾にした侵攻がきっかけであったのは明らかです。

平和のように見える世界も微妙な均衡の上に成り立っていることも明かになりました。

以前の大戦とは全く異なった軍事力を持った国々が、万が一にもぶつかり合うようになったなら、そのダメージは想像もできません。

もしかしたら、地球はもちろん、人類にも多大な影響を及ぼすことは必然でしょう。

 過去の戦争は、狂信的な独裁者が引き起こしたといっても良いでしょう。

もちろん、今回のロシアにも言い分があるでしょうが、戦争、侵略といった形で決着をつけようとする方法には、許しがたいものがあります。

もしかしたら、国のためという名目で、自身のさらなる権力の継続のためのものかもしれません。

こうした状況の中にあって、同様な軍事力を持った他の大国には良心を待つしかありません。

 日本人の考え方は、どのようなものでしょう。

「戦争が起きたら逃げればいい」ではすまない時代です。日本は、毎年膨大な防衛予算と銘打った税金が使われていますが、大国に対応するだけの軍事力には及ばないでしょう。

「自衛隊に頼ればいい」と言うかもしれません。これも徴兵制度をとっている国と比べたら、その兵力は比べようにもありません。

大戦後の日本は、戦争放棄という憲法の下に、敵対国を攻撃する手段は持たない、持てないという方向に進んできました。

「アメリカがついている」と考えるでしょうが、確かに抑止力としての効果はあるでしょうが、もし、アメリカが戦争に巻き込まれたら、必然的に日本も参戦せざるを得ない状況なのです。今はただ、そうならないことを祈るばかりです。

この事態が、うまい具合に落ち着くことで、能天気な現在の日本人の精神を鍛え直すきっかけになれば幸いです。

軍事力を強化しろと言っている訳ではありません。また、北朝鮮と同じ道を歩むべきでもありません。しかし、万が一に対応するための準備は必要かもしれません。他から見れば狂気に満ちたとしか思われない北朝鮮の軍事強化も、我が身を守るための方法として選んだ道だったのでしょう。

 長く続いた平和な時代、これほど長い期間、大きな戦争がなかったのも稀でしょう。「時代は繰り返す」と言いますが、必ずそうした時はやってくるはずです。

安閑とした日々の生活は永遠ではありません。この侵攻がすみやかに収まることはもちろん、遠く離れた地の日本人の眠った目を開かせる機会になることを願わずにはいられません。