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山百合

 梅雨明けが待ちどうしい限りです。

写真は、この時期に咲く山百合です。昔は、龍ケ崎周辺の山林でも決して珍しいものではなかったのですが、最近は大袈裟に言えば絶滅状態です。

農地同様に山林の荒廃も甚だしいですから、生育には適さなくなってしまったのでしょう。

この写真にある山百合も自然の山林ではなく、農家の敷地ですから、管理もされ結果として生き残っているのでしょう。

 その強い香りと少し大ぶりな花は、西洋種の百合とは違った日本的な気高さを感じさせます。

幼い頃、この球根を母親がきんとんに作り、それを食べた記臆もまざまざと蘇ります。

 山百合や春蘭、ワラビやきのこなどが豊富に自生する土地は、季節ごとに我々に自然の恵みを持たらしてくれたのですが、今はまったくその面影を留めてはいません。

経済効率を優先することは、資本主義の基本なのでしょうが、コロナ禍のマスク不足など、そのリスクの大きさをも再認識しなければならないことも確かです。

食糧の自給率も90パーセント近くは外国依存という状況は、日本の農業を滅ぼす方向に向かっていることは確かです。

現在の新型コロナ流行の状況下にあっては、人命か経済優先かの政策もまた同様に思われます。うまい具合にその調整を図ることができれば、それに越したことはないのですが、そう簡単にはいかないでしょう。

人命も自然も、一度失なったものを取り戻す事は、出来ません。ぜひ、世の舵取りを任された為政者たちの叡智の発揮を願うばかりです。