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高偏差値人間

 新型コロナウイルスの感染は、まだまだ終止符を打つという状態にはありませんが、数値的にはだいぶ少なくなりました。これは、連休中の外出自粛の結果であるのは確かなようです。

しかし、潜伏期間が2週間ぐらいだそうですから、連休明けの結果が本格的に出るのは来週あたりでしょうか。自粛の解除がなされたかといって、そう簡単に安心というわけにはいかないでしょう。

 一説には、新型コロナウイルスは、暑さと湿気には強く無いということですし、ウイルス対応のワクチンの開発もそう簡単ではないようですから、この冬には、また同じ状態が繰り返されるということも十分に考えられます。ですから、まだまだ油断は禁物でしょう。

 こうした状況の中において、無知というか、自己中心的な人間の存在の多さも気になるところです。

パチンコ店の営業継続については、メデイアでもネット上でも盛んに叩かれました。もちろん、業者側の問題もありますが、利用者側の脳天気な考え方については、それ以上に呆れます。

他人に絶対に影響を及ぼさないという保証でもあれば、「単純な人間だ」ぐらいで片づけることもできますが、そうした状況ではないということも理解しないで、自己中心的な行動をすることについては、呆れるばかりです。

おそらく、パチンコ依存症の人間たちの、こうした行動を止めることはできないでしょう。もし、止めようとする声が強まり、法的懲罰を加えようと法的な措置がなされるかもしれませんが、結果的には、他の多くの善良な人々の自由な行動にまで影響を及ぼすことにもなりかねません。

せっかく築き上げた民主的な生活を滅ぼすことにもつながってしまう危険性もあるのです。勝手気ままに行動する人間もいれば、それ以上に理性を持って行動した人間が多くいたことについては、日本もまんざら捨てたものではないと感じさせられます。

 今日は、5月21日の夕方です。テレビでは、定年延長法案の渦中の黒川検事長の賭けマージャンによる辞任のニュースが伝えられています。総理サイドの人間からすれば、大きなエラーをしでかした者に対して、憤懣やるかたない状況かもしれません。昔風に言えば、陰謀?というふうにとらえた擁護派もいたかもしれません。

当事者は、高偏差値人間の代表かもしれませんが、その行動については、パチンコ依存症人間と何ら変わることはありません。

 力を盾に、無理押しをするような形で提出された法案に対しては、多くの有名人や元検事総長などから反対の声が上がっても、強行突破を図ろうとしていたのでしょうが、急転直下、呆気ない形の展開となりました。

俗人の言葉で言えば、「天罰」が下ったのでしょう。その対象者については、言わずもがなです。

 時には、善人が悪人に、悪人が善人に変わってしまうことがあります。もともとは、この検事長も高い理想を持ち、悪の断罪者として、国民の生活の安全に寄与していたはずです。

パチンコ依存症の人間に比べたら、遥かに高偏差値人間であることは確かですが、この体たらくの本質はどこに求めたらいいのでしょうか。ジキル博士とハイド氏を想い浮かべてしまいますが、これもまた人間たる所以なのでしょうか。

 ロボットが間違った行動をしたら、その責任はロボットを操る人間側の問題ですが、人間対人間の場合は、そうは行かないから厄介です。この件については、どちらが操縦者であったかは分かりませんが、その責任については、決して免れることはできないでしょう。

 高偏差値人間だけが支配する日本になって欲しくはないものです。決して、高偏差値人間を全否定するわけではありません。私利私欲に目が眩む高偏差値人間ではなく、悪を憎み、弱きを助ける、そんな高偏差値人間の出現を待ち望みたいものです。既に過去の人のように思われてもおかしくない、あのゴーン被告の逃亡を手助けした2名がアメリカで逮捕されたというニュースも伝わっています。こちらの事件についても新たな展開を期待したいものです。

トム・クルーズやシュワルツネガーが演ずる筋肉ムキムキのスーパーヒーローのような派手な活躍は無理でしょうが、正義感に満ちあふれた高偏差値人間が、その能力を生かした活躍をすることを期待したいものです。