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政策

 年度が改まったということさえ忘れてしまいそうな日々の連続です。報道は新型コロナウイルスの厳しさに関するニュースばかりです。恐怖を煽ることは、無関心な人間にも警戒心を植えつける点では多少の効果はあるでしょうが、脳天気な人間は、それぐらいでは自分の行動を大きく変えるとは思われません。

国は様子を見ながらということなのでしょうが、後手に回らないような対策をして欲しいものです。それこそ中途半端な形では無い方策を示して欲しいものです。

 国が布マスクを各家庭に配布するということが伝わってきました。首相自らそれを使用して、その有効性を伝えています。

それに反して、WHOは「いかなる状況においても勧めない」と、布マスクの無効性を伝えています。九州大学の矢原徹一教授も布マスクは、繊維の織目のサイズが大きいため、飛沫を防ぐ効果が小さく、洗って繰り返し使う場合にも管理が悪い場合は、雑菌がはびこる可能性があり、かえって不衛生になる可能性があると述べています。

その費用も莫大で、費用対効果で言えば、首相が考えるほど効果があるとは思われません。それほどの費用をかけて布マスクの製作を考えたのは、本格的なマスク製作会社でなくても作ることができるといった都合からなのでしょうが、これにもまた裏があるのではないかという、うがった見方をする人もいるようです。

 他人の不幸に乗じて不正を働くような人間に政治家が加担するといったことはあってはならないというのは当然のことなのですが、過去を振り返ってみると、決してないことではありませんから、マスク2枚に喜ぶことなく、今後の動向にも注意したいものです。

 決して夢物語とは言えない都市封鎖にでもなったら、東京などの大都市住民はどうなるのでしょうか。原発事故においてもそうでしたが、国はある程度の想定はしていたのでしょうが、結果は大混乱に陥ってしまったというのが現実でした。その理由において、「想定外」という言葉が多用されました。

今回の事態に対しては、再び「想定外」という言葉で片づけられてしまうようではたまりません。

 今日は新たに、一世帯に30万円の支給というようなニュースが流れてきました。詳細はまだ不明ですが、これまた、いろいろな条件をつけた上でのことでしょうが、一世帯2枚のマスク支給よりはずっとマシな政策かもしれません。

現金支給については、貯蓄にまわってしまって、確かな経済効果はないなどと言われ、一時は見送りかと思われていましたが、再度こうした施策が浮上したのは、どうした風の吹き回しなのでしょうか。消費税をゼロにするといったことも与党内からも出ていたようですから、これと天秤にかけたのかもしれません。

どのような施策にしてもメリット、デメリットはあるでしょうが、後手に回らないものにして欲しいものです。

 この災禍はスポーツ界にも大きなダメージを残しています。誰もがオリンピックの延期は当然と考えた時点でも、断固開催を目指すと主張していた人物たちの声が急激に小さくなったのは、当然と言えば当然なのですが、それら全てが先見のなさを反省しているようには見えません。その変わり身の速さばかりが目についてしまうのは、少しうがった見方でしょうか。

 オリンピックを目指す選手ばかりでなく、ジュニアのクラブ活動にも大きな支障が出ています。誰もが同じと考えれば、多少の不便は我慢しなければならないでしょう。逆に、こうした困難が、後々の情熱の源泉になるであろうことを期待して子どもたちを鼓舞することにしましょう。