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迫る危機

 不思議なほど感染者のいなかった茨城県にも感染者が相次いで確認されました。ヨーロッパに出張していた日立の会社員、ヨーロッパ旅行帰りの大学生、タイから帰国した阿見町民、おそらくこれで終わりというわけにはいかないでしょう。

 ここ2日間に相次いだ状況に対しては、予想はしていたものの、自分ばかりではなく、驚きは大きいと思います。今の状況は、明日はわが身にという恐怖さえ感じるようになってきました。

 特に2件目の感染に対しては、感染者の意識と知事の発表に対しては、ネット上では、まさしく非難ごうごうの書き込みが相次ぎました。

その非難の源は、感染者が居住地などの情報を公表することを拒んだこと。それに対して知事が、個人情報を盾に居住地などの発表をしなかったことに対してでした。

結局は、驚くほど多くの非難に対して、翌日には居住地などの内容が判明するに至りました。これは個人情報を盾にわが身の保全を図ろうとする感染者やそれを理由にあやふやな発表をした知事に対して、多くの人の怒りが結集した結果だと思います。

 前にも述べたことがありましたが、民主的という名の下に個人のワガママまでが、まかり通ってしまうことについては、多くの人が疑問に思う点ではないでしょうか。もちろん、個人情報が裸同様であっていいというわけではありません。

しかし、それを隠れ蓑にして不正までを隠ぺいしてしまうような行為までもが同等であって欲しくはないというのが、多くの人が持つ共通の感情ではないでしょうか。

たった一人のわがままのために多くを犠牲にしてもいいというような行為は、個人情報保護という名の下であっても許されるものではありません。

 もちろん、この感染者が、個人の情報を隠したかった理由もわからなくもありません。こうした状況下に優雅に旅行などを楽しむような能天気な自分に慌てた結果なのかもしれません。

自分だけは大丈夫という慢心は、この感染者ばかりでないでしょう。平和な日本に育った若者の多くが持つ感情ではないでしょうか。

 考えたくはないですが、万が一にも戦争にでもなった時、多くの若者たちはどのような対応をするのでしょうか。「自衛隊が自分たちを守ってくれるはず。いざとなったら自分だけ逃げればいい。」では済まされない問題だと思うのですが。