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車三昧

 この3ヶ月は、CARデイラー巡りの毎日でした。3年半あまり乗ったX1の走行距離が8万5000㎞を超えてしまい、この辺で手放さないと下取り額も厳しいものになるだろうというのがその理由でした。

それぞれのデイラーでは、「随分乗りましたね」という決まり文句が返ってきたのは当然で、自分ながらほとほと情けないというか、あきれてものが言えない状態でした。毎月のガソリン代や高速道路利用も重なって、家内の苦言もかなり厳しいものになってきたことも理由の一つです。

 長い人生、どれだけの車を乗り継いできたか、あまり定かではありません。親父の乗っていた日産サニーを引き継いだのがそのスタートであったように記憶しています。以来、最近復活を果たしたカローラやマークII、スカイライン、パジェロなどなど。

もちろん、通勤の足としての購入がその目的でしたが、私たちの世代には、「いつかはクラウン」という言葉に代表されるような、車に対する思い入れが、今の若者たちよりも強くあったこともその理由かもしれません。

 ここ20年近くは、外国車に乗る機会が多くなりました。決して自分自身が豊かになったわけではありませんが、外国車も国産車並みに手に入れやすくなったことがその大きな理由でしょう。

また、実用性だけを考えれば、国産車で十分なのですが、必要以上に車に対する興味や愛着を持つ者にとっては、やはり外国車には強い魅力があるのです。

現行車で生産中止が決まったボルボV40が乗り始めでした。次いで、アウディのA4、A6、そして、BMWの320i、X1と乗り継いできました。

 今回の買い替えについては、家族からもプレミアムガソリン中心の外国車の燃費についてのクレームがあったこともあり、レギュラーガソリンやクリーンジーゼル車、電気自動車への方向転換を図ることを十分に考えに入れた上のことです。

 そういうわけで、まずはいくつかの車種をピックアップしてのデイラー巡りとなりました。とは言っても、「帯に短し襷に長し」状態で、なかなか結論には達しませんでした。

 12月頃、VWから小型のSUVの「TーCROS」の発売のニュースがあり、国産小型車並みの値段や大きさにも期待をして、その発売を待つことになり、展示会で試乗も行ないましたが、やはり、プレミアムガソリンということや大きさの面でも、あまり納得できるものではありませんでした。

 今まで付き合ってきたデイラーについては、それぞれ経営母体の違いや規模の違いがあり、一概には言えませんが、ユーザーに対する対応については様々です。それは、デイラーの違いというよりは、営業担当者の問題かもしれませんし、担当者との相性の問題なのかもしれませんが、そうした中で、私にとってアウディは好印象でしたので、今回もアウディということでQ2,Q3を対象に交渉にあたったのですが、モデルチェンジの問題などで、これもまたうまい具合にマッチングはできませんでした。

プレミアムガソリンであることや車両価格に対して、非常に高額なメーカーオプションは、購入を希望するものにとっては大きなネックになるかもしれません。ドイツを代表する高級ブランド車としては、ベンツ、アウディはとりわけ有名なのですが、そのアウディのここ数年の売り上げが低迷していることは、そうしたことも影響しているのかもしれません。

 そんなこんなで、再びVWに戻り、SUVのTiguanで交渉することになりました。当初は予定したより価格も高く、2年後ぐらいにはフルモデルチェンジがあるかもしれないとの情報もあり、多少の躊躇はあったのですが、基本的なスペック、特に安全装置が標準装備、下取り価格、割引も期待以上であったこと、また、フルタイム4輪駆動、そしてクリーンジーゼル対応車ということもあり、徐々に方向が定まってきました。

途中、トヨタのハリアーが5月頃にはフルモデルチェンジするという情報も入り、そこまで待とうかという迷いも生じたのですが、3月決算期の割引特典を逃してしまうことや下取り車の査定額の低下などを考えての決断でした。

 この3ヶ月のデイラー巡りの結論としては、同程度のライバル車を机上に乗せて、各デイラーに競わせること、決算期を利用すること、同じ車であっても経営元が違うデイラーであれば、十分に競争してくることも理解して交渉することが必要であることが再確認できました。

勿論、こうした交渉術についてはネット上で十分に得ることができるので、近々、乗り換えをお考えの方は、そうした情報を事前に十分に参考にすることは必然でしょう。

 車に執着することに対して、恐らく今の若者たちは奇妙に思うかもしれませんが、人それぞれの生き様と考えればいいでしょう。物事に執着することの良し悪しはともかく、生きることの楽しみの一つと考えれば、これまた良しとすべきではないでしょうか。