· 

年の瀬

 今年も残りわずかになってしまいました。時の流れは、止めようにも止めることはできませんから、今年もまたいつものようにあっと言う間に過ぎ去ってしまったとでも言っておきましょう。

 人間以外の、この世に生きるものすべてにとっても、時の流れに変わりないのでしょうが、それを不幸だ、無常だなどと捉えるのは、おそらく人間だけでしょう。いっそのこと、人間以外の動植物のように時の流れに身をまかすのがいちばん気楽なのかもしれません。

 今年もいろいろな事がありました。台風や大雨などの自然災害などは、時の流れに逆らうことに比べれば、まだまだ抵抗の余地はあるのかもしれません。災害の原因にもなっている温暖化や海洋汚染などについては、世界の人間の力を結集することで十分に対策はできるはずなのに、そうならないのは何故なのでしょうか。

そうした対策は時の流れを追い越すほどのスピードが必要なのに、現実には利害の海に溺れた愚か者たちの抵抗にあって、遅々として進みません。もしかして、その解決には、知的生物である人間が滅亡することが一番の早道なのかもしれません。

 温暖化や海洋汚染などの地球環境の変化によって、農産物の減少や海洋生物が絶滅するようなことになれば、食物連鎖の頂点に君臨する人間が、真っ先に亡び去ることは必然でしょう。

 愚か者と言えば、今年もまた多くの政治家などの薄くなった頭頂を何度眺めたことか。頭を下げればそれで済むという時代の風潮に対してもいら立ちが募りますが、その天罰はいつか必ず下ると信じることにしましょう。あるいは、天罰の前に憤懣やるかたない国民たちが目覚めて天誅を加えるかもしれません。