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猛暑

 このところの猛暑には、いささかうんざりですが、寒くなればなったで、それはそれでまた愚痴ってしまうわけで、どちらが良いとは言い難いのです。しかし、暑さは身ぐるみ剥いでしまっても耐えきれない部分がありますから、クーラーや暖房機のない平常な状態においての比較では、暑さに耐えるということの方が大変かもしれません。

 まもなく夏休みです。練習には、この暑さに対する対応が必要であることは当然です。元気に走り回っていた子が、突然体調に異変をきたすなどということも結構あることですから、十分な配慮が必要というわけです。

 幼かった頃を振り返ると、熱中症などという言葉はあまり聞きませんでした。

ただ、蚊が媒介する日本脳炎に対する注意は、よく聞かされた思い出があります。

一般家庭においては、扇風機が唯一の冷房器具だった時代であり、家の中で暑さをしのぐ手段もたかが知れたものだったのです。

 今日は、理容室で散髪をしながら思わずそんな昔話に花が咲いてしまいました。現在のように物騒な時代ではありませんでしたから、夏の暑い夜などは、雨戸を開放して、蚊帳を吊るした部屋で寝起きした、そんな良き時代の思い出です。

今の子供たちにはもちろん、親の世代も、よほどの田舎育ちでない限り、そんな経験はないでしょうし、蚊帳というものがどのようなものであり、夜中に戸締りをしないなどということは考えも及ばないことでしょう。

暑ければ空調の効いた部屋で休むことが常識ですから、暑さや寒さに対応する力が弱まってしまった原因になっているのかもしれません。

日々の練習などでも、ついつい昔の自分の経験を押し付けてしまうような場面がありますから、それについては、充分な反省と配慮が必要なのかもしれません。

 ところで、今の小学生は、夏休みに入ったからといって、すぐに休みではなく、一週間ほどは、通学学習をするのが当たり前です。休日が週二日制になったしわ寄せかもしれませんが、子どもたちにとっては、何かと制約の多い時代になったものです。

例年そうなのですが、クラブの活動は練習会場がなんらかの事情で使用できない場合を除いては、原則練習日です。練習できるという点では最高なのですが、共稼ぎ家庭が増え、祖父母との同居が減った結果、送迎が難しい家庭が多くなりました。ですから、平日の昼間の練習に関しては、全員集まることができないのが問題です。時間的には、充分なものがありますから、他チームとの差を縮めるためには、絶好な機会なのですが、なかなか簡単に問屋が卸してくれない状況でもあるのです。