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純喫茶

 何年か前にも述べた記憶がありますが、自分が大学生だった頃は、コーヒーを中心とする喫茶店は、純喫茶と呼ばれ、それこそ大学生のたまり場だったのです。わざわざ『純』と名付けられたのは、酒類を扱わない純粋な喫茶店ということであったと思います。

もちろん、それに対するものとして、酒を置くことやホステスによる接客のある『特殊喫茶店』の存在もあったわけです。

 ちょうど自分が大学に入学した頃は、大学紛争真っ只中の時代で、多数の大学は閉鎖状態で、構内は全学連の学生が占拠しており、授業を受けようにも受けられないそんな状況だったのです。

結果として、そうした渦中の大学生にとっては、純喫茶は格好のたまり場でもあったわけです。

そんな状況の大学生活でしたから、大学構内の授業よりは、喫茶店での自学自習の時間が多かったような気がします。ある意味では、束縛されない自由な大学生活でもあったわけです。

 最近は自宅近くにも多くの喫茶店ができました。もちろん昔風に言えば純喫茶ですが、結構の繁盛の様子です。自分もコーヒー大好き人間ですから、利用頻度は多い方だと思いますが、それぞれの店の特徴をうかがい知ることができます。

若者が多いのは、やはりスターバックス、パソコン片手の仕事にも、一人スマホにも便利だからでしょうか。

全国チェーンのコメダコヒーは、高年齢層が圧倒的です。もちろん、そのサービスメニュー目当ての者も多いでしょうが、はるか昔に私同様に純喫茶を経験した世代にとっては、ノスタルジックに浸るには恰好の場なのかもしれません。

しかし、スターバックスを利用するのことが多い自分自身には、何かしらの矛盾を感じてしまいます。