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読解力

 つい最近の「読売新聞」の記事の中に、読解力の低下が懸念される子どもたちについての記事が載っていた。戸田市の中学校6校におけるテストにおいて、基礎的な読解力を測るテストを行った結果、4人に1人は問題文が正確に読めていなかった。問題によっては正答率が半分程度や、それ以下のケースがあったそうである。

普段のテストでも、答えを書かない子どもたちからは、「問題で何が書かれているのか分からない」という声もあり、現場の教員たちには不安や戸惑いがあったという。

 大学生の読解力にも不安があるという。読書をする生徒は減っており、図書館に行ったこともない生徒もいたという。SNSのような単文を書くのには慣れているが、長文や文の構造や考えをまとめたり、整理することは苦手のようなのである。

こうした読解力の低下を受けて、文科省は読む力と書く力の向上のための策定、「朝の読書」などを活発化したが、依然として長文を読んだり、書いたりする機会は減っているという。

 まったくこうしたことと、スポーツの世界は別のようであるが、普段のスポーツ指導の中で、「読む力」「書く力」同様に「聞く力」の不足を感じずにはいられない。一方的に話すことは得意な子どもは多いが、聞くことについては、大変下手な子どもたちが多いように思われる。

昔はそうした態度や習慣は一方的、強制的に躾けられたが、現在は話をして躾けることが当たり前であるから、これもまた、なかなか難しいことなのかもしれない。

 スポーツの習得、理解のためにも聞いて理解する力が必要であると思う。向上のためには、ただ単に見て学ぶだけではなく、聞いて納得し、理解する能力も必要なのである。

一方、指導者においては、技術指導以上に、話すという指導力も大切になってきたと言える。