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教員の多忙1

 文科省の中教審の部会で「チーム学校」構想の中間答申が示されました。

その目的は、教員の多忙を解消する目的のようです。

その中には、部活動の指導を行う「部活動支援員(仮称)」の創設やスクールカウンセラー、ソーシャルワーカーの全校配置などを検討することが盛り込まれました。

これらは、外部人材を採用するが、法令上は学校職員と位置づけ、部の顧問を務めたり、一人で引率をしたりすることを可能とするもののようです。

 OECD(経済協力開発機構)の調査では、日本の義務中学校教員の勤務時間は、1週間あたり平均53.9時間に上り、33カ国、地域最長で、このうち部活動などの指導は、平均7.7時間、調査全体平均の2.1時間を大幅に上回ったといいます。

一昔前と比較すると、その内容が大きく変化したことは否めません。

事故に備えた用心もあるわけで、その責任が学校側や教員個人に重くのしかかってくることからも必然なのかもしれません。昔のような夜遅くまでの練習や顧問個人の判断での長時間練習などは許されなくなったというわけなのでしょう。生徒たちは、冬のこの時期などにおいては、活動時間は無いに等しいのです。

しかし、意識ある者は、結果を追い求め、追い求められ、校外での活動を余儀なくされてしまうというわけです。その結果、ますます、エリート組と校内活動組との格差は広がるというわけです。

 欧米でのスポーツ活動は、もっぱら校外での活動であることが知られていますが、現在の日本はその過渡期なのでしょうか。

義務教育現場の部活動が弱体化する中、幼少期対象の「スポーツスクール」が成長しているようです。ボランティア活動としてではないスポーツ教室事業が、少子化の中にあっても、順調に成長しているようなのです。

教育現場と民間の壁がなくなり、それぞれを補完しあうことができるようになってきた証拠なのかも知れません。しかし、なによりも義務教育現場の多忙さがその根底にあることも確実のようです。