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費用対効果

 バドミントン競技においては、消耗品であるシャトルの経費は馬鹿になりません。クラブ運営に占めるシャトル費用ついては、どこのクラブにおいても頭を悩ますところでしょう。

数十年前のシャトル代が今に比べて安かったかというと、そうではありません。

当時の価格は、今とあまり変わりはないくらいでしたから、当時の物価と今の物価を比べれば、現在のほうが、逆に安くなったと言ってもいいほどなのです。

日本の経済の成長にともなう日本円の強さが、輸入中心のシャトル価格をおさえた理由なのでしょうが、昔と比べて、安くなった分、その消費量は格段に増していますから、大変さは昔と変わりないのです。

昔を思い出すと、折れた羽を接着剤で他の羽に植え換えるなど、再利用の工夫をしたものですが、贅沢な時代になった現在、そんな姑息な手段を用いるようなところはないでしょうから、消費が多くなったことも当然なのです。

 ゴルフ上達のためには、ダンプカー何台分かの球を打つことが必要なのと同様に、シャトルを打つことがバドミントン上達のための近道なのですから、シャトル消費の多さが、バドミントン技術取得の早さに比例していることも確かなのです。

しかし、潤沢な資金を有するクラブは、そう多くはないでしょうから、シャトル再生まではしないにしても、手を変え品を変え、その近道を探しているのが現状ではないでしょうか。

 話は変わりますが、宝くじで1億円が当たる確率は、0.000025%だそうですが、プロスポーツ選手になれる確率を考えると、サッカーは0.04%で、かかる費用は約300万円、野球は0.02%で300万円、ゴルフは0.007%で約400万円、テニスは0.007%で650万円程度だそうです。

それぞれの一流選手の平均年収はサッカーが2200万円、野球は3600万円、ゴルフが1500万円、テニスは1000万円程度だそうです。(これらのデータは、実際に調べたわけではなく、どこかで聞きかじったものですから、もしかしたら、見当はずれかもしれません)

得た収入もすべてが自分の実収入というわけではなく、個人競技のゴルフやテニスなどは、超一流選手は別にして、遠征費などが個人持ちということなどを考えると、損得勘定でプロスポーツを目指すとするならば、野球かサッカー選手ということなのでしょうか。

 恐れ多くも、バドミントンはプロスポーツということは出来ませんから、その費用対効果を考えると、結構割高なものと言えるでしょう。

しかし、スポーツを志す目的を費用対効果で考えたなら、バドミントンを含めたアマチュアスポーツの存在はあり得ませんが、それらのスポーツを楽しむ多くの若者の存在があることは、金銭目的だけでは割り切れないことの証なのです。

 それはさておき、数十年前のバドミントン人口に対して、現在のバドミントン人口が飛躍的に増加していることについては、バドミントンを愛する者として、本当に有り難いことなのです。