· 

無為自然

 新年の扉が開きました。期待しても無駄なことは十分に承知しているのですが、今までとは違った、めくるめくような変化のある年になることを期待したいものです。

しかし、元旦も今日も、外に出るには億劫になるほどの寒い日が続いたせいか、「無為無策」ということをつくづくと実感しました。

『老子』の思想を代表する言葉に「無為自然」というものがありますが、それとはまったく違った、正真正銘、「無為無策」の 二日間でした。

 『老子』における「無為」とは、意図や意志、主観をすべて捨て去って、「道」(天地自然の働き)に身を任せるというものです。

何事にもとらわれず、執着をもたずに、人為的に無理に物事を動かそうとせず、自然にあるがままに生きる、という生き方を表しているようです。

自然にあるがままに生きるということは、「無為無策」にただ流れに身を任せて生きることではなく、努力は十分にするが、その先の結果は天に任せるという生き方なのだそうです。

物事は人間の思うようにならないということを悟った古代中国の人たちにとっては、こうした生き方こそが、最も幸せな生き方であったのかも知れません。

現代人の傲慢な生き方からの脱却のためには、参考にすべき生き方とも言えるでしょう。

 今年も無為無策の日々からの脱却のための工夫を図らなければなりません。十分な方策と十分な努力をなし,その結果については天に任せることにしましょう。