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当世親子気質

 小学校の卒業式も終り、6年生にとっては、中学校の入学式までの3週間ほどは、少々時間を持て余してしまう期間ではないでしょうか。

中学校入学までの課題をこなす毎日を送る者もいるでしょうし、あるいは、開放感から遊び呆ける者もいるかもしれません。黄色い安全帽を被った小学生から、制服を身に着けた中学生にと外見が変化するだけではなく、精神的にも大きく変化する時期でもあるわけですから、保護者たちからすれば、今までの対応では対応しきれない悩みも多くなることは確かでしょう。

手漕ぎボートの舵取りから、急にモーターボートの舵取りをしなければならなくなった状況かもしれません。また、今まで以上に、手綱の引き加減もなかなか難しい状況になるかもしれません。

 自我に目覚めることも早く、主体性に富む今時の子どもたちですから、その行動力も私たちの頃とは全く違うものがありますし、保護者たちの考え方も多種多様な時代ですから、対応も多種多様なのでしょう。

ただ、いつの時代にあっても、子ども任せの放任主義は考えものです。高校生の保護者たちの中にも、「すべての行動は本人に任せています」というような割り切った考え方をする者がいたりすると、もっと保護者としての主体性を発揮してほしいと考えさせられる時もしばしばです。

町内には監視役の怖いおじいさんがいて、子どもたちを見守り、地域社会が教育力を持っていた時代とは大きく異なってしまった現在ですから、保護者の果たすべき役割は、はるかに増大したはずなのですが、現実には、そうではない方向に向かっているように思えてなりません。

逆に、私たちの子どもの頃とは比べようもないほど経済的にも時間的にも豊かな時代ですから、過保護の親たちの存在が少なくないことも確かです。

放任と過保護、両立することは無いでしょうが、どこに自分たちの位置を見出したらいいのか、子育て最中の親たちにとっては、苦しい戦いの毎日は続くはずです。