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素直さ

 バドミントンに限らず、物事を指導することの難しさについては、誰もが経験していることだと思います。

 スポーツで言えば、指導者は監督やコーチと呼ばれる人たちですが、おそらく、その経験する悩みは共通だと思います。

 まず、チーム構成を考えると、指導者が一人か二人のチーム、あるいは、豊富な指導者たちを擁するチームであったり、クラブ員すべてが初心者、あるいは、上級者と初心者の混合、すべてが上級者のクラブ員などと、そのチーム構成は、それぞれバラバラでしょう。

指導者数でいえば、クラブ員数に比例しているのが理想なのでしょうが、どのチームにあっても、なかなか、理想通りにはいかないというのが現状ではないでしょうか。

指導者が多いということは、指導者たちを束ねる強いリーダーがいれば別ですが、得てして、「船頭多くして・・・」に陥る場合が多いようです。

おそらく、強豪と呼ばれるようなチームでは、強いリーダーのもと、それぞれの役割分担がしっかりとしたチーム構成がなされているのはずです。

指導者たちが、それぞれの主義、主張や考え方を持ち、それぞれが自由勝手な指導を続ければ、子どもたちは混乱するだけで、方向性の定まらないクラブ組織に陥り、結局は、互いに袂を分つ結果となってしまうでしょう。

 クラブ員構成についていえば、指導態勢がしっかりと確立されていれば、初心者だけでも、混合であっても、心配は無用でしょうが、指導者不足の場合にあっては、なかなか難しい問題です。ともあれ、十分な態勢が整っていないクラブ組織であっても、やり繰りしながら、レベルアップのための工夫を重ねたいものです。

 話は変わりますが、区別をするわけではないのですが、初心者レベルの子どもたちを見ていると、すべてが平等ではなくて、キラリと光るものをもつ子が必ずいます。

これは、けっして運動センスについてばかりではありません。運動センスを感じさせる子であっても、これは一定レベルまででダメだろうと感じさせる子もいるわけです。

ある人のブログを見ていましたら、その違いは、「素直さ」にあると、述べられていましたが、まさしく同感の至りと言ったところでしょうか。

単純にスポーツセンスが良いだけで、向上につながるというわけではないのです。

指導者の言葉を信じて、向上につなげていける要素が、まさしく「素直さ」というわけです。スポーツセンスがあるがために、我流にこだわり、自分の思ったとおりにしか努力しない者にとっては、大きな差となる要素なのです。

しかし、子どもたちには、自分が「素直」であるか、無いかなどの認識はあまりないでしょうから、「素直さ」が、向上のための必要条件であることを認識させるような指導の工夫も必要なのかも知れません。

 試合においては、時には、「素直」ではないことも要素の一つなのですが・・・。