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手紙

 美人だったであろう元同僚からの便りがありました。今はもうお互いにいい年回りですから、話題はいつも弱った身体のことばかり。

同僚の若い頃は知りませんから、客観的に証明するなら写真ぐらいでしょうが、それも手元にあるわけではありませんし、いい加減なことをホザクなと言われそうです。美しさの判断には、主観もまた大切であると思うのです。

 多くの人も同様でしょうが、精神年齢は、10代で止まったままなのに、皮膚年齢は過酷なまでに現実を物語ってくれます。大富豪であれば、金銭にものを言わせて、多少はごまかすことができるでしょうが、それでも身体の奥の奥まではごまかすことはできないでしょう。しかし、何百年後かには、今の何倍もの寿命が科学の発展によって現実なものになるかも知れません。

 秦の始皇帝が不老不死の薬を追い求めたことは有名ですが、いろいろなものを試した結果、それが寿命を縮めた原因とも言われていますから、皮肉なものです。

1000年もの命を得ることは、一時的には幸せそうですが、愛する人や我が子にも先立たれることで味わう悲しみに打ち勝つことは大変でしょう。生理学的な不老不死の身体を手に入れたとしても、不死身のスーパーマンになったわけではありませんから、多くの災害や事故に遭遇する確率も増してくるでしょう。

もちろん、長生きをすることは大切ですが、運命に逆らってまで、長生きを求める意義はあるのでしょうか。

 アメリカのミシガン大学で、「ポジティブに目的意識を持ち続けることが、健康な生活につながる」という研究結果が発表されたそうです。50歳以上の男女7000人を4〜5年にわたって追跡調査し、被験者に心理テストを行うとともに脳卒中など発作のリスクを高める血圧などを測定した結果、人生に対して高い目的意識を持っている人ほど、発作のリスクが低いということがわかったそうです。最も目的意識が高い人と低い人のリスクの差は、何と73%!

「人生の目的を持ち続けることは、人生の質を高めるだけではなく、身体的な健康を促進し、寿命を延ばしてくれることになるかもしれない。」というわけです。

仕事をリタイアした途端、急に老け込んでしまった、という話は良く聞く話です。年齢に関わらず、仕事や趣味などに目標や目的を持ち続けることが大切なようです。

私にとっては、バドミントン生活に付き合ってくれる小学生たちに感謝!感謝!です。

元同僚さん、ぜひ玉手箱を開いた浦島太郎にならないように、充実した生活をお送り下さい。

 由紀さおりの「手紙」、まだ、未来に夢を見て生きていた頃、21世紀が遠い未来に思えていた頃に流行った曲です。今になって思えば、本当に若かったですね。

40年経っても、精神的にはあまり変わっていない自分???どう評価したらいいのでしょうか。